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セルフレスキュー講習会

兵庫労山セルフレスキュー講習会(初級)に参加してきました。内容はビレイヤー自己脱出と懸垂下降時の登り返し。最後にロードセルをセットして墜落時の衝撃を確認、といった充実したものでした。午前中は経験者コースの受講者がカンカン照りのなか屋外で受講しているのを尻目に、風通しの良い屋内でビレイヤー自己脱出と懸垂下降時の登り返しを確認。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

事前テキストの予習はしていきましたが、システムとして使って初めて役に立つということをあらためて理解しました。ビレイヤー自己脱出は次に取る選択(助けに行く・助けを呼ぶ・その他)のためにビレイヤーが動くたに必須技術でした。
いままで、登るのサイコー!でこういった技術を身に付けてこなかったのですが、基本的に危険なスポーツである以上、クライマー・ビレイヤー双方の安全を確実にすることは重要です。

忘れないように・・・自己脱出手順は次の通り
1)メインロープの仮固定(両手を離して作業できるようにする)
確保側のロープをATCつないでいる安環に通してハーフヒッチを2回、もしくはオーバーハンドノットで結び安環でロックする
2)支点構築 (120センチのスリングと安環2個で流動分散)
3)テンション掛かったロープにクレイムハイスト(下の写真の通り)
4)流動分散の安環にクレイムハイスト作ったスリングを仮固定
(ムンター+ハーフヒッチ2回と安環)
※ここまででメインロープの加重がクレイムハイストを通して支点に繋がる
5)流動分散の支点に安環を1つセット(写真の手袋で持っている緑テープ安環)
6)ATCの仮固定をゆっくり解く(クレイムハイストが利いている?確認)
7)メインロープを緑テープ安環にムンター+ハーフヒッチ2回で繋ぎ、安環で仮固定
※これでメインロープの加重が支点と直接つながる
8)クレイムハイストに使ったスリングと安環を回収
自己脱出はこれで出来ます。
※ハーフヒッチ2回でクローブヒッチとなるのでオーバーハンドノットでなくてもOK
※現在兵庫労山救助隊では、クレイムハイストは上から
下に巻きさげるほうが締め付け力は少々劣るが動かしたときでも緩みにくいため、コチラを推奨しているということです

ちなみにビレイヤー自己脱出で使用したものは、
・120センチスリング 2本(よく利くようにダイニーマ推奨)
・安環6個 (支点2個、仮固定2個・小さめでもOK、接続用2個) です
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

つぎに登り返し、これがしんどい。
本日講師をされたNakHrさんによると下降時にルートを誤って30m登り返したことがある、ということです。マルチピッチで下山時は下降しかルートが無いときなどでは時たまあるのでこれもアルパインでは必須。

さて、忘れないための手順です。
1)下降してきます → Σ(゚Д゚ υ) アリャ 間違えた!
2)ブロック機能を使うため、てATCガイドのガイド安環セットしビレイループに掛けます
※これがしんどいのです
3)バッチマンをATCの上にセット(利いているか要確認)
※クレイムハイストでも良いが利きすぎて押し上げるのが大変です
4)バッチマンからのスリングに安環をセット(バックアップ用)
5)PASの安環を4の安環につなぐ
6)降下時にセットしたオートブロックを解いてビレイループに垂らしておく
※ATCのブロック機能と5のバックアップで落ちることは無いはず
7)4の安環に120センチスリングを付けて簡易アブミをつくる
※手が伸びきるまでバッチマンを上げて長さ調節、オーバーハンドノットでOK
6)7の簡易アブミに足を掛け立ち込むと同時に、ATCのフリー側ロープを手で引き上げて登り返す
※ATC側に小指が来るように。手のひらを上向きにするおがコツ
※引き上げた後はATCのブロック機能を利く。フリー側を引っ張りつづけなくても大丈夫
7)ココまでで登り返し終了
8)通常の下降用バックアップを再度とる(6で解いたオートブロックを再セット、このとき利いているか確認したほうが良い)
9)ブロック機能を解除するため、簡易アブミに立ち込みATCガイドに通した安環をとる
10)下降用オートブロックに乗りバッチマンを取る
※バッチマンを上げすぎていると取れないので要注意
11)オートブロックを操作して下降再開
OLYMPUS DIGITAL CAMERA兵庫労山セルフビレイ講習会(登り返し)
とにかく1回の講習で身に付くものではないと分りました。何度か実際にやってみてこれで大丈夫(まぁ使いたい技術ではないけど)、というまで練習しないといけませんねぇ。
最後はリードでの墜落衝撃