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前穂高北尾根アルパイン

お初の本チャンルート挑戦です。場所は前穂高岳北尾根ルート、グレードⅢ級らしくアルパインとしての初級ルートに位置づけられます。涸沢からも上高地からもギザギザがやけに目立つあの前穂高岳をクライミングで登ってしまおう!という企画です。今回のために会でチームコジラを結成し約1年かけて登攀・システムから歩荷までいろんなトレを積んできました。直前まで天候が心配でして、実際涸沢までのトレッキング中には雨に降られたりとヒヤヒヤものの山行でしたが、無事成功させることができました。

涸沢ヒュッテ
ルート起点はお馴染みの涸沢ヒュッテ・ヘリポート裏から雪渓に入りアイゼンつけて20分ほど登ります。56のコル分岐点で夏道に入り急登を約1時間で56のコルに到着。出発時点では真っ暗闇でしたがコルについたら朝陽がまぶしい!遠くに富士山や南アルプスも見えて気分爽快です。

北尾根 56のコル
ここで少しだけ休憩。約10時間ほどかかる長丁場のルートなので慌てないようにします。涸沢ではスマホの電波あまり掴みませんが稜線に出るといきなり4Gバリモードに変身。LINEの音が鳴りだしてビビりました。

前穂高岳4峰
最初に出会う5峰は難し目の岩稜歩き・・・といった感じで特にどうということなく通過。ただし高度感はめちゃくちゃあります。両脇に300mほどはスッパリ切れ落ちていているので気は抜けません。例えていうなら、芦屋ロックガーデンを300mの高さでルンルン気分で歩いている感じですかね?

前穂高岳4峰
4峰からクライミング要素がでてきます。私がリーダーなパーティはここでロープを出して万が一に備えます。遅くなるのは承知の上でスタカットで3Pほどに区切り慎重に登りました。特に4峰ピーク直下の凹角は、登山靴での登攀は少し難しく感じました。それでもボルダリング6級前後だと思います。気になる人はココでしっかりビレイしていったほうが良いと思います。
それと4峰は噂通りガレガレ・浮石だらけで覚悟していたほうが良いです。掴んだ岩がグラッと動くこともありトントン岩をたたきながら慎重に!そして後続や後ろのパーティのために落石をおこさないよう注意します。

前穂高岳3峰
そして核心3峰。全体に岩はしっかり目なのでほぼ問題なく登攀できると思います。ルート的にはⅢ~Ⅳ級程度なのでどのルートで行っても詰まってしまうことはないはず。私のパーティは一番オーソドックスっぽい左から回り込んでチムニーを抜けるルートどりで抜けました。ただしめちゃくちゃな高度感があり緊張感はあります。またサビサビのピトンは信用できません、セカンドのために3点以上からちゃんとした支点を作るよう心がけます。
ヌンチャクは長ヌン10本前後必要。ハンドジャムやフィンガージャムサイズのカム(ブラックダイヤモンドC4の 0.5~2 番あたり)を持っていくと錆びたピトンを補って安心感があると思います。なくても全然平気ですけど。

前穂高岳2峰 懸垂下降
2峰からは記念の懸垂下降。クライムダウンでも十分行けますが落ちると両端が切れ落ちてサヨウナラ状態なので慎重に行動します。

20170820_112704
そして前穂高岳山頂に立つ私たちチームコジラ、1年間のトレ・準備が報われた瞬間です。
とっても充実したクライミングで楽しかった~。でもここから吊尾根→奥穂とおって涸沢まで下らないといけません。遠足はお家のドアに入るまで!といいますので急ぎつつ慎重にぐるっと穂高周遊して下山することにします。ということでパーティ組んでくれたKKさん・JUNJUNさんありがとう! 今回の山行を糧にしてもっとステップアップした登攀を目指していきたいと考えてます。よろしくーーー。