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台高・ブッシュマン 5.9 / 6P

関西では貴重なフリーマルチピッチルート(高度差140m)を登ってきました。我々レベルでも十分行けそうな東大台ケ原に位置しているブッシュマンに挑戦です。ほんとは西大台ケ原のサマーコレクションやサンダーボルトに行ってみたいと思いますが、ステップアップの意味もこめ今回はブッシュマンです。それに西大台は手続きがめんどくさい。
台高・ブッシュマン

早朝大阪駅に集合して2時間ちょっとのドライブで大台ケ原駐車場へ到着。ハイカーの目を逃れるようにガチャ類は慎重にザックにしまい込み出発。時間短縮のため遊歩道をショートカットするように中道を通っていきます。大蛇嵓分岐をほんの少しシオカラ谷に行ったところで、仲間と「誰もいない?よね」キョロキョロ・・・と注意深く遊歩道柵を超えて大崩谷に下降開始。
台高・ブッシュマン

大崩谷のアプローチは悪いです、予想以上にむちゃくちゃ悪いです。落石を起こさないように注意します。大きな段差もガッツリ濡れた感じでギャップで足を滑らせないように神経を使ってしまいました。しかも下降していく途中から蒸籠嵓の切り立った壁が否が応にも目に飛び込んでくる。
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予想よりも垂直壁なのでちょっとビビるがもう行くしかない。トンネル跡前を通過し「いい加減この辺りが取り付きじゃないか?」と話してながら直線距離で100mほどさらに下ったところで取り付き目印の残置ロープを見つけました。

台高・ブッシュマン

今回は2パーティ。私たちは後発で、私が奇数ピッチ(核心ピッチ)+junjunさん(偶数ピッチ)です。各パーティはそれぞれツルベで登ります。先発はS会長パーティです。外岩に触るのは久しぶりでして私は1ピッチ目はかなり緊張しました。以下の記録は私たちパーティ目線の記録です。

1P目 5.9 B7
残置ロープからスタートして少し左に1ピン目が見えている。ピン位置まで登って「なんでー???」と言ってしまう。なじみのリングボルトやペツルではないがしっかりした不思議なピンが設置されていた。これだよな?とブツブツ考えながらも安全のために取りあえずクリップ。このルート開拓者さんのHPにもあったが下部はかなり濡れていて緊張の連続。ヤバ目ルートの予感とおもったが濡れている以外はそれなりに快適に登攀できる。ゆっくりだけど滑らないように手足確かめながら支点まで登りました。実際このピッチは5.9あると思います。フォローで登ってきたjunjunさんがさっそくA0しているのが気になるが見なかったことにしておこうと思います。
台高・ブッシュマン

2P目 5.9 B4
出だしだけが微妙。頭上のブッシュに突っ込んですぐに左へトラバース。この部分も濡れ濡れ。だが凹角に入るところから快適な登攀になり楽しくなってきた。垂直壁だがホールド・スタンスともにしっかりしていたので不安はあま感じなかった。最初以外はこのルート上でいちばん易しいピッチ。2ピッチ登攀から先発パーティの動きは全く見えなくなったが声だけは賑やかに聞こえてくる。
このピッチjunjunさんがトップだが支点構築がインチキ臭い雰囲気・・・2P目終了点で勝手にキレている感じ。全然ロープアップしないし不安になる。何度も組んで登っているが事前にもう一度ちゃんと復習しておけばよかったと後悔。さすがにこのピッチ難易度では落ちないからそのまま登って行く。

3P目 5.9 B7
ほとんどの部分が凹角の登攀になっている。ここは今回の登攀でもっとも楽しいピッチになっていたと思う。岩質がスメアやステミングの効きやすい感じで不安なく登れる。凹角ステミングの終わりあたりで、一瞬だけレイバック的な動きをして右の小さなスラブに乗っかりあとはテクテク。ただし最後のピンだけ長ヌン使うことをお勧め。とにかく楽しく快適に登れるピッチなのでウキウキしてしまった。
台高・ブッシュマン

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4P目 5.9 B5
人によっては離陸が難しそうな感じ。私はまったく問題なく登れたがこのピッチでトップをいったjunjunさんはかなり苦戦していた。それもそのはず出だし左スラブが水で濡れており足の置き場に苦労していた。10mほど左にブッシュマン2のピンが見える。惑わされずにここは直登が正しい選択。出だしさえ乗りこえればピッチ終了点までほぼ問題ない。でもこのピッチはブッシュに突っ込んでいきそうになるのを避けながらの登攀。このピッチを登ってる時にこそルート名「ブッシュマン」というのを実感した。
このピッチを登攀中、先発パーティが核心5Pに取り付いているのが声でわかる。先発トップで登っているSさんはさっさと登り切ったみたいで流石やなーと思う。続いてKKさんが登っているらしい。「テンション!」とか声が聞こえたり「もう一回行ってみます!」みたいに頑張ってる様子。どうやら3~4回目で乗越しクリアできたみたいでホッと安心。さぁ次は自分たちの番だと気合が入ります。
台高・ブッシュマン

5P目 5.10c B7(核心)
正直言ってグレードほど難しくない・・・というより簡単に感じた。Sさんは 5.9、 私は 5.10a くらいだったよね?と登攀後に話したほど。核心はハング乗越らしいがココはサクッと行きましょう!手も足もいいのがあるのでしっかり見極めれば問題なし。ビビったのは乗越してから見つけたピンが遠い!と思ったこと。実際には上部スラブに入る前にもう1個ピンがあるのだが草付きで見えない。かなりのランナウトと覚悟を決めて登っていくと草付きのすぐ上に「あった!」という感じ。そらそうだよね。でもってピッチ終了点までいき待っているとフォローのjunjunさんも予想外にサクサク登ってくる。お!やるじゃん。と思ったのは私の早合点でよく見るとヌンチャク掴んでA0しまくっている・・・。本人曰くプライド捨てて登ってきました、とのことです。
台高・ブッシュマン

台高・ブッシュマン

6P目 5.9 B7
ピッチ開始の支点位置は大きなテラスにあって快適ビレイができます。これまでのハンギングビレイと違いラクチン。下から見てると階段のように見えるが薄被り気味の垂壁なので見た目以上にグレード通りと思います。それでもスタンス・ホールド共に大きくキチンと登れば楽しい登攀には間違いなし。
台高・ブッシュマン

大蛇嵓から「あそこ登ってるぞー」とか「ヤッホー」とか声が聞こえてくる。振り返ると視線もビシバシ感じてしまい、絶対落ちれない!かっこいい登攀を!みたいに背中を後押ししてくれる。ルート核心の5Pでもテンション掛けたらかっこ悪いよなー?とか考えながら登ってました。あとで確認したら下のほうは見えない様子だが3P目より上がかなり良く見えているらしい。

ルート全体を振り返ってみていえることは開拓者さんが言っているように難しくないルート。フリーゲレンデで 5.9 リードできるなら5P目以外は大丈夫でしょう。5P目も 5.10c は絶対ないと思うのでジムなどで前傾壁大好きなパワー系であればお買い得なグレードだと思います。

日時:2017年9月24日(日)
参加:私+3名
場所:東大台ケ原/蒸籠嵓(せいろぐら)
装備:シングルロープ50m、各自ヌンチャク7~8本、スリング2本
ヌンチャクはフリー用でOK。1か所だけ長ヌン欲しいかなぁ?